検察官はかばんではなく風呂敷?

弁護士 中井陽一

2014年03月12日 08:53

 刑事裁判を傍聴していると,検察官は,なぜか事件記録を風呂敷につつんで持ってきます。たいていの検事が,かばんではなく,風呂敷なんですよね。弁護士で風呂敷を使う人はまずいません。いったいなぜ,検事は風呂敷なんでしょうか?

①検察庁と裁判所が近い
 検察庁は,裁判所のすぐ近くにあるケースが多いです。弁護士の場合,裁判所で電車で移動したり,その後別の裁判や現場に行ったりすることもあるので,事件の記録だけではなく,パソコンや他の書類,メモ帳やipadなど,様々なものを持ち歩きます。
 他方で,検察官は,徒歩で1・2分の検察庁から,あくまでその裁判のためだけに裁判所に行くので,運ぶのは事件記録だけであり,かばんである必要はありません。
 また,歩いてすぐですから,どこかに置いたりすることもありませんし,周りの目を気にする必要もありません。

②分厚い記録も包める
 刑事事件の記録は,薄いこともあれば分厚いこともあります。鞄だと,分厚い時にはキャスター付きの大きなバッグでないと入らないことがありますが,風呂敷の場合には大きさに合わせることができます。
 ちなみに,検察官の持っている風呂敷は,一般的な風呂敷よりもかなり大きいサイズで,支給されるようです。

③帰りの荷物が無い
 検察官は,刑事事件記録を,裁判所に全て提出して帰ってくることがほとんどのため,行きの荷物が多くても,帰りの荷物は少ないということがよくあります。風呂敷だと,帰りは折りたたんで持って帰ることができ,楽なのです。
 他方で,弁護士は,荷物が大幅に減るというケースはあまりないため,鞄の方がよいということになります。


 これまでずーっと長年検事の間で風呂敷が使われていることからすれば,検事にとっては相当使い勝手がいいんでしょうね。他方で,弁護士が風呂敷を使わないということは,弁護士にとっては使い勝手はよくないのかもしれませんね


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