裁判所(法廷)の窓

弁護士 中井陽一

2020年09月28日 08:22

 コロナ対策で、窓を開けての換気が推奨されていますが、実は裁判所の法廷って、窓が全くないことが多いって知っていますか?



 TVドラマの裁判シーンなどでも、法廷には窓がないことが多いと思いますが、実際の法廷も、窓が一切ないことが多いです。
ごく一部例外的に窓がある法廷もあるのですが(彦根の裁判所にも裁判官が通る廊下との間に磨りガラスがあります)、多くの法廷は全く窓がありません。

 窓がない理由としては、おそらく、①被告人の逃亡防止の観点、②プライバシー確保の観点、ではないかと思われます。

 そうすると、換気をとろうと思うと、出入り口のドア(通常は、傍聴席側と、当事者席側の2つあることが多いです。)を開放するしかないのですが、いくら裁判期日は公開の法廷で行われるとはいえ、廊下等から裁判が丸見え、声が筒抜けというのは、当事者からすればあまり気分がよいものではありません。

 実際には、大津の裁判所などでは裁判中にドアは開放していませんが、先日大阪簡易裁判所に行った際には、ドアが開放されていて、ちょっと驚いたことがあります。裁判所によっても事情が異なるのでしょうね。

 裁判所の建物を建設する際には、「感染症対策で換気ができるようにしなくては」なんてことは考えもしなかったのではないかなと思います


関連記事