非が無い方が示談はしづらい?

弁護士 中井陽一

2016年05月23日 08:05

 自分自身が何かミスや悪いことをしてしまって、加害者になってしまったので弁護士に示談をお願いするケースと、自分には法律的な非は無いのに相手から請求されているケース。
 示談がうまくいきやすいのはどちらのケースなんでしょうか?




 一見すると、「悪いことをしていたら、被害者も怒っているから、なかなか示談できないだろう」とか、「非がないんだったら、簡単に示談できるだろう」と思えるかもしれません。
 しかし、実際にはそうでは無いことが多々あります。

 ミスや悪いことをしてしまったケースの場合、損害賠償義務があることはわかっているので、加害者側としても、ある程度の慰謝料などの金銭を提示していくことになります。また、その際の金額についても、過去の同種事例や裁判例に照らして、どのくらいが相場なのかもわかることが多いです。
 ですので、最終的には、裁判例等の水準で示談となることが多いですし、仮に裁判になったとしても、判決が出て解決することになります。

 他方で、こちらに法律的な非が無いのに請求されているような、いいがかりのケースの場合、そもそもこちらとしても金銭の提示をしてくわけにはいきません。また、当然ながら、過去の裁判例等でも、支払った例が無いのであれば、相場なんて関係ありません。
 そうすると、依頼を受けた弁護士としては、相手からの請求を突っぱねるだけということになります。1円も支払わないのに示談書にサインをさせることはまず無理であり、相手があきらめるのを待つことになるんです。
 しかも、相手としては、「もうあきらめました」なんて言ってきませんので、こちらとしては示談という区切りがつかず、落ち着かないというケースもあります。

 こういう場合って、区切りがないため、弁護士としては着手金はもらえても、成功報酬(終了報酬)をもらいづらいんですよね


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