貸したお金の回収は弁護士でも非常に難しい?

弁護士 中井陽一

2021年11月11日 13:14

弁護士への相談で比較的良くある、「知り合いにお金を貸したけど返ってこない」という個人間の貸し借りの相談ですが、実は弁護士がついても全額をきっちりと回収するのはかなり難しいって知っていますか?

お金

なぜ個人からの貸金回収が難しいのかには、以下のような理由があります。

①お金を借りている時点で収入や財産があまりない
裁判をして勝ったとしても、相手に給料やめぼしい財産がなければ、強制執行の申立てができません。
お金を借りている時点で、相手にはお金があまりないわけで、それを返せなくなった時点ではもう手元にお金がほとんどないことも多いです。

②なぜ知り合いからお金を借りるのか
「ちょっと財布を忘れたので、今日のランチ代貸して!」などという頼みならわかりますが、何十万円とか何百万円というお金を借りるなら、本来は金融機関に相談に行きますよね。
大きいお金を金融機関ではなく知り合いから借りるのは、おそらく金融機関が貸してくれないからです。プロの金融機関が審査をして、「この人には貸せない。返してもらえないリスクが高い」と判断しているわけで、そんな人に貸しても返ってこない可能性は高いことが多いです。

③他の借入れも多い可能性がある
知り合いからお金を借りている時点で、既に金融機関からは目一杯借りてしまっていることも多い上に、他の知り合いからも借りていることも多いです。
そうすると、いざ返済されなくなったので債権回収をしようと思っても、他の債権者も同様に動くため、回収が非常に難しくなります。

④破産されたらおしまい
最終的に自己破産をされてしまうと、どんな凄腕の弁護士に債権回収を依頼しても、どうしようもなくなってしまいます。せっかく裁判をして苦労して勝訴判決を得ても、水の泡となってしまいます。

というわけで、弁護士的な目線で言うと、「貸すくらいなら、むしろあげろ。返ってくると思うな。」という教訓になります。
もしどうしても貸すのであれば、確実な連帯保証人をつけるか、不動産等を担保にとるべきなのかもしれませんね


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