弁護士費用を「経済的利益」で決めるのはおかしい?

弁護士 中井陽一

2018年05月28日 09:03

 弁護士の着手金や報酬の金額は、依頼者の「経済的利益の額」の何%という形で決めることが多いです。
 でも実は、この方式って、弁護士でも疑問に思うことがあるって知っていますか?



 経済的利益の額とは、簡単に言えば、請求する側の場合には相手に対して請求する金額で、請求される場合には請求をされている金額のことを言います。金銭ではなく、不動産の争いの場合には、不動産の固定資産評価額などをベースにすることが多いです。
 たとえば、300万円の貸し金が返ってこないので、弁護士に依頼して訴訟を提起してもらうとして、着手金が「経済的利益の8%」だとすれば、24万円の着手金になる、ということです。

 たくさんの金額を請求する(請求される)ほど、弁護士費用は高くなります。
 依頼者の受けるメリットから考えれば、確かに一応の合理性はありそうです。

 ただ、実際問題として、10万円の貸金請求と、1000万円の貸金請求で、弁護士の業務量ややるべきことが何倍も違うかというと、そうではないことが多いです。むしろ、10万円の貸金請求でも、証拠が不十分だったり、相手の資力が十分でないと、弁護士としては非常に大変なのです。経済的利益の額で弁護士費用を決めるのは、弁護士の労力とは比例していないことが多いんですよね。

 弁護士の労力という面から考えれば、弁護士報酬を「タイムチャージ制」にすることが合理性があるということになります。
 もっとも、タイムチャージ制の場合、「早く解決したい依頼者」と、「多く報酬をもらいたい弁護士」という双方の意向が衝突する可能性もあります。弁護士の報酬をどのように決めるのかって、結構難しいんですよね


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