弁護士が逃亡に加担するの?
2020年01月14日
カルロス・ゴーン氏が、保釈中に国外逃亡したことが大きなニュースになっています。
ネットのニュースのコメント欄を見ると、「弁護士が逃亡に加担したんだろ」というようなコメントがたくさんありますが、どうなんでしょうか?

筆者は、現在はほとんど刑事弁護はやっていませんし、ゴーン氏の弁護人らとは知り合いではありません。
また、「高い倫理観を有する弁護士が、逃亡に加担するはずがない」などという高尚な主張をするつもりは全くありません。
でも、「弁護士が逃亡に加担した」というコメントをみて率直な思いとしては、「そんなん、逃亡に加担しても、弁護士には何の得もないし、デメリット大きすぎるやろ!」という感じです。
そう思う理由は以下のとおりです。
①懲戒のリスクが高い
もし保釈中の被告人の国外逃亡(しかも正規ルートとは言えない逃亡)に弁護士が加担したら、ほぼ間違いなく懲戒されると思います。弁護士資格を剥奪されたり、業務停止を食らってもおかしくないわけで、他にたくさんの依頼者を抱えているのにわざわざそんなことするの?と思ってしまいます。
②弁護士にとって非常に不名誉
実際に、世間からゴーン氏の弁護人らは叩かれていますが、自分の依頼者が保釈中に国外逃亡したというのは、弁護士にとって非常に不名誉なことです。自分の名誉や評判を落としてまで、国外逃亡に加担する意味がわからないです。
③刑事弁護の実力を発揮できない
②とも関係しますが、被告人が起訴された場合、弁護人にとって一番自分の実力を発揮できるのは、法廷の場です。そこで無罪をとれれば、実績にもなるし、名誉なことでしょう。依頼者が国外逃亡すれば、そのような実力発揮の機会を失うわけで、そんなことするのかな、と思います。
④見返りの大金をもらうリスクと必要性
ネットのコメント欄を見ていると、「どうせ弁護人はゴーン氏を援助して、ゴーン氏から大金をもらったんだろ」というようなコメントが散見されます。でも、もし実際にそんなことで何億・何十億のお金が動いたら、逃亡に加担したことが警察・検察に容易にバレてしまう気がします。
また、ゴーン氏の弁護人は、弘中惇一郎氏や高野隆氏など、弁護士会でも名だたる刑事弁護人らです。ここからは全くの筆者の偏見ですが、お金にはそれほど困っていない人たちのように思えるので、お金に目がくらんでリスクが大きいことをするようには思われません。
⑤日本の司法に絶望した人が、司法界に属する弁護士に計画を告げるとは思えない
ゴーン氏は日本の司法に絶望したようですが、そのような人が、元々裁判官・検察官と同じ試験を受けて、司法修習という同じ研修を受けている弁護士に、国外逃亡という法的に問題がある計画を果たして告げるでしょうか。むしろ、同じ司法界の人間ということで、自分の弁護人すら信用できずに国外逃亡を考えたのであれば、弁護人に協力を依頼したりはしないような気がします。
というような理由から、筆者としてはどうしても弁護人が国外逃亡に加担するなんてありえないと思うんですよね。
筆者は刑事弁護はほとんどしていませんし、ゴーン氏の弁護人らとは全く直接の面識はありませんが、世間の方々が「弁護士が加担した」と思っているのであれば、ちょっと残念です
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ネットのニュースのコメント欄を見ると、「弁護士が逃亡に加担したんだろ」というようなコメントがたくさんありますが、どうなんでしょうか?

筆者は、現在はほとんど刑事弁護はやっていませんし、ゴーン氏の弁護人らとは知り合いではありません。
また、「高い倫理観を有する弁護士が、逃亡に加担するはずがない」などという高尚な主張をするつもりは全くありません。
でも、「弁護士が逃亡に加担した」というコメントをみて率直な思いとしては、「そんなん、逃亡に加担しても、弁護士には何の得もないし、デメリット大きすぎるやろ!」という感じです。
そう思う理由は以下のとおりです。
①懲戒のリスクが高い
もし保釈中の被告人の国外逃亡(しかも正規ルートとは言えない逃亡)に弁護士が加担したら、ほぼ間違いなく懲戒されると思います。弁護士資格を剥奪されたり、業務停止を食らってもおかしくないわけで、他にたくさんの依頼者を抱えているのにわざわざそんなことするの?と思ってしまいます。
②弁護士にとって非常に不名誉
実際に、世間からゴーン氏の弁護人らは叩かれていますが、自分の依頼者が保釈中に国外逃亡したというのは、弁護士にとって非常に不名誉なことです。自分の名誉や評判を落としてまで、国外逃亡に加担する意味がわからないです。
③刑事弁護の実力を発揮できない
②とも関係しますが、被告人が起訴された場合、弁護人にとって一番自分の実力を発揮できるのは、法廷の場です。そこで無罪をとれれば、実績にもなるし、名誉なことでしょう。依頼者が国外逃亡すれば、そのような実力発揮の機会を失うわけで、そんなことするのかな、と思います。
④見返りの大金をもらうリスクと必要性
ネットのコメント欄を見ていると、「どうせ弁護人はゴーン氏を援助して、ゴーン氏から大金をもらったんだろ」というようなコメントが散見されます。でも、もし実際にそんなことで何億・何十億のお金が動いたら、逃亡に加担したことが警察・検察に容易にバレてしまう気がします。
また、ゴーン氏の弁護人は、弘中惇一郎氏や高野隆氏など、弁護士会でも名だたる刑事弁護人らです。ここからは全くの筆者の偏見ですが、お金にはそれほど困っていない人たちのように思えるので、お金に目がくらんでリスクが大きいことをするようには思われません。
⑤日本の司法に絶望した人が、司法界に属する弁護士に計画を告げるとは思えない
ゴーン氏は日本の司法に絶望したようですが、そのような人が、元々裁判官・検察官と同じ試験を受けて、司法修習という同じ研修を受けている弁護士に、国外逃亡という法的に問題がある計画を果たして告げるでしょうか。むしろ、同じ司法界の人間ということで、自分の弁護人すら信用できずに国外逃亡を考えたのであれば、弁護人に協力を依頼したりはしないような気がします。
というような理由から、筆者としてはどうしても弁護人が国外逃亡に加担するなんてありえないと思うんですよね。
筆者は刑事弁護はほとんどしていませんし、ゴーン氏の弁護人らとは全く直接の面識はありませんが、世間の方々が「弁護士が加担した」と思っているのであれば、ちょっと残念です

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Posted by
弁護士 中井陽一
at
07:00
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