なぜ弁護士は不人気なのか？

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滋賀の弁護士草津駅前法律事務所

なぜ弁護士は不人気なのか？

2014年11月12日

　最近，弁護士という職業が不人気です。そもそも弁護士を目指す人が大幅に減っているようですし，司法試験に合格しても，裁判官や検察官は人気ですが，弁護士の人気はあまり無いようです。
　筆者が弁護士になった１０年前と比べると，雲泥の差です。なぜ，ここまで急に弁護士が不人気になったのでしょうか？

　１つは，弁護士になるまでの過程の問題です。
　今では，弁護士になろうと思うと，原則として大学卒業後にロースクール（法科大学院）に行って，卒業しなければなりません。ロースクールを卒業しないと，司法試験が受けられないのです（予備試験ルートを除く）。
　ロースクールは，２年または３年なので，周りの皆よりも学生生活が長くなりますし，学費や生活費の負担もかかります。生活が苦しくて早く働かないと行けないという人は，わざわざロースクールに行こうと思わないのではないでしょうか。

　また，司法試験に合格後も，すぐに弁護士になれるわけではなく，約１年間の司法修習を受けなければなりません。この間は，無収入で，アルバイト等も許可が無ければできず，裁判所から指定された地で，朝～夕方まで研修を受けなければなりません。お金が無い場合，国が貸してくれる制度があるものの，そうすると弁護士になったとたん借金を背負った状態になってしまいます。

　これが，筆者が司法試験に合格した約１２年前をみてみますと，ロースクールなんて制度は無く，原則として，大学を出ていれば誰でも司法試験を受けることができました。筆者も，就職した会社を退職してから，一応予備校の授業は受けましたが，１年ちょっとで合格できたので，時間も費用もそれほどかかりませんでした。
　それに加えて，合格後，筆者のころは１年半ほど司法修習がありましたが，この間は国から給料が支給されていたんです。一般職の国家公務員の給料や手当に，賞与も支給されたので，気持ちの面では義務的な研修というよりはむしろ，半分社会人という感じでした。ですので，お金の面で心配をする必要も全くなかったんですよね。

　というわけで，弁護士になるまでの過程だけを見ても，約１０年前と比べて負担が非常に大きくなっていて，弁護士が不人気になるのもわかる気がします。次回は，弁護士になってからの面を１０年前と比べてみたいと思います

滋賀の弁護士のひとりごと｜弁護士中井陽一のブログ

なぜ弁護士は不人気なのか？

2014年11月12日