法律トラブルをネットで検索するときの注意点
2017年07月14日
法律トラブルで困ったとき、いきなり弁護士に相談に行くのではなく、まずはネットで解決方法を探るという人も多いと思います。
もっとも、ネットでの間違った知識で、解決のタイミングを逃してしまったり、トラブルが悪化してしまうケースも多々あります。
今日は、ネットで法律問題を検索する際に、どのような点に注意すべきかについてお話しします。

①情報の出所や信頼性を確認する
法律問題については、弁護士からみれば誤った知識や解決法がネットに記載されていることが少なくありません。
特に多いのは、yahoo知恵袋などの、一般人も回答できる掲示板です。法律問題は、少し前提条件が変わると、結論も大きく変わります。したがって、投稿者Aさんとしては「こうしたら解決しましたよ!」と事実を書いていても、質問者Bさんの事案に当てはめると、その方法では解決しないことも多々あります。
また、弁護士事務所のWEBサイトだからといって、全てが正しいとは限りません。
TV番組でもあるように、同じ事案でも、弁護士によって「請求できる」という人もいれば、「請求できない」という人もいます。解釈に幅があるんですよね。弁護士によっては、集客に有利な事案や解釈を載せていることもありますので、注意をする必要があります。
最も客観的で信頼ができるのは、裁判例です。ネットの情報でも、説明の後ろに、(最判昭和○年○月○日)と書いてあるものは、裁判例を引用しているので、間違いが少ないです。
また、少し知識が必要ですが、裁判所のWEBサイトで、過去の裁判例を検索することもできます。
②検索ワードの重要性
ネットで検索をする場合、単語を入れて検索をするわけですが、どのような単語で検索するかで、たどりつく答えも大きく異なります。
たとえば、離婚話が進んでいて、既に別居しているけれども、夫婦の預金をどう分けるかで揉めているとします。一緒に住んでいた頃は、夫は1000万円の預金を持っていたのに、夫は家を出て行った後、「生活費に使ったので200万円しか残っていない」と主張しているとします。
このような事案で、妻としては、1000万円の預金を分けろと主張できるのでしょうか、それとも200万円の預金を分けろと主張できるのでしょうか。それをネットでどうやって検索すればよいのでしょうか。
おそらく、「離婚 預金 分ける」などのワードだけでは、適切な答えにたどり着くまでにかなり時間がかかってしまうと思います。場合によっては適切な答えにたどり着けないかもしれません。
正しい検索ワードは、「財産分与 基準時」なんですよね。そうすると、弁護士の解説などで、「財産分与は、別居時点の預金を基準として分与するのが一般的」という答えにたどりつきます。
自分が検索しているワードが果たして適切なのか、しっかりと考えてみるべきですし、よくわからなければ弁護士に相談した方がよいことも多いです。
③自分の事案への当てはめ
ネットに記載されている情報が、果たしてそのまま自分の事案にも当てはまるのか。これが最も難しいところです。
熟練した弁護士でも、悩むことがあるくらいなんです。
特に、「裁判例」というのは、ありきたりなものが残るのでは無く、特殊な事案や、限界事例と言われる事案が「裁判例」として残されることが多いんです。
たとえば、交通事故に関して、「物損 慰謝料 裁判例」で検索をすると、物損に関して慰謝料が認められた裁判例がいくつか出てきます。しかし、これって実は極めて例外的で、原則として物損の場合慰謝料は認められないんですよね。
「裁判例にあった!」ということで飛びついてしまうと、実は極めて例外的な事例ということもあるので、その裁判例やネットの記載が、どこまで一般的なものなのかに注意する必要があります。
というわけで、注意点をいくつか書きましたが、ネットの情報だけで最終的な方針を決めることはリスクがあることが多いと思います。
具体的な事案で悩んだときには、やはり弁護士などの専門家に相談をした方が、その事案に適したアドバイスがもらえると思いますね
【滋賀県草津市の弁護士への相談はこちら】

滋賀の弁護士/草津駅前法律事務所
…このブログの筆者の事務所のメインサイト。

滋賀の弁護士による離婚相談
…離婚に関する相談サイト。

滋賀の弁護士の交通事故無料相談
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個人事業・会社の破産・倒産無料相談
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もっとも、ネットでの間違った知識で、解決のタイミングを逃してしまったり、トラブルが悪化してしまうケースも多々あります。
今日は、ネットで法律問題を検索する際に、どのような点に注意すべきかについてお話しします。

①情報の出所や信頼性を確認する
法律問題については、弁護士からみれば誤った知識や解決法がネットに記載されていることが少なくありません。
特に多いのは、yahoo知恵袋などの、一般人も回答できる掲示板です。法律問題は、少し前提条件が変わると、結論も大きく変わります。したがって、投稿者Aさんとしては「こうしたら解決しましたよ!」と事実を書いていても、質問者Bさんの事案に当てはめると、その方法では解決しないことも多々あります。
また、弁護士事務所のWEBサイトだからといって、全てが正しいとは限りません。
TV番組でもあるように、同じ事案でも、弁護士によって「請求できる」という人もいれば、「請求できない」という人もいます。解釈に幅があるんですよね。弁護士によっては、集客に有利な事案や解釈を載せていることもありますので、注意をする必要があります。
最も客観的で信頼ができるのは、裁判例です。ネットの情報でも、説明の後ろに、(最判昭和○年○月○日)と書いてあるものは、裁判例を引用しているので、間違いが少ないです。
また、少し知識が必要ですが、裁判所のWEBサイトで、過去の裁判例を検索することもできます。
②検索ワードの重要性
ネットで検索をする場合、単語を入れて検索をするわけですが、どのような単語で検索するかで、たどりつく答えも大きく異なります。
たとえば、離婚話が進んでいて、既に別居しているけれども、夫婦の預金をどう分けるかで揉めているとします。一緒に住んでいた頃は、夫は1000万円の預金を持っていたのに、夫は家を出て行った後、「生活費に使ったので200万円しか残っていない」と主張しているとします。
このような事案で、妻としては、1000万円の預金を分けろと主張できるのでしょうか、それとも200万円の預金を分けろと主張できるのでしょうか。それをネットでどうやって検索すればよいのでしょうか。
おそらく、「離婚 預金 分ける」などのワードだけでは、適切な答えにたどり着くまでにかなり時間がかかってしまうと思います。場合によっては適切な答えにたどり着けないかもしれません。
正しい検索ワードは、「財産分与 基準時」なんですよね。そうすると、弁護士の解説などで、「財産分与は、別居時点の預金を基準として分与するのが一般的」という答えにたどりつきます。
自分が検索しているワードが果たして適切なのか、しっかりと考えてみるべきですし、よくわからなければ弁護士に相談した方がよいことも多いです。
③自分の事案への当てはめ
ネットに記載されている情報が、果たしてそのまま自分の事案にも当てはまるのか。これが最も難しいところです。
熟練した弁護士でも、悩むことがあるくらいなんです。
特に、「裁判例」というのは、ありきたりなものが残るのでは無く、特殊な事案や、限界事例と言われる事案が「裁判例」として残されることが多いんです。
たとえば、交通事故に関して、「物損 慰謝料 裁判例」で検索をすると、物損に関して慰謝料が認められた裁判例がいくつか出てきます。しかし、これって実は極めて例外的で、原則として物損の場合慰謝料は認められないんですよね。
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というわけで、注意点をいくつか書きましたが、ネットの情報だけで最終的な方針を決めることはリスクがあることが多いと思います。
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Posted by
弁護士 中井陽一
at
08:42
│
法律関係