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スポーツ中の事故と法律

2018年05月23日

 アメフトの試合で、相手の選手に怪我を負わした件がニュースになっていますね。
 今回の件は、事故というよりも故意に怪我を負わしているようなので特殊なケースですが、スポーツ中に相手の選手を怪我させてしまうことはたまに起こりえます。
 このような時に、怪我をさせた側が賠償責任を負うのかどうかって、実は難しい論点がたくさんある法律問題だって知っていますか?



 本来、こちらのミスで相手に怪我をさせた場合には、過失傷害罪(刑法209条1項)が成立し、30万円以下の罰金または科料となります。
 でも、スポーツでいつもこのような犯罪が成立していたら大変ですよね。野球のピッチャーはデッドボールを当てるたびに犯罪となりかねませんし、ボクシングなんて、そもそも相手を殴るわけですから、そのたびに暴行罪(刑法208条)が成立してしまいそうです。

 これらのスポーツ中の行為に刑罰が科せられない理由としては、刑法35条の「正当行為」(=法令又は正当な業務による行為は罰しない)に該当するから、というのが一つの解釈です。ただ、ルール違反の行為の場合には、正当行為の範囲外、ということになるとも考えられます。

 また、そもそも危険なスポーツについては、怪我を負うことがあることについて被害者の承諾があるから、それによって犯罪には該当しないのだ、という解釈もあります。

 そして、刑事責任に問われないとしても、民事の損害賠償請求権は生じるのかどうか、などの問題もあるんですよね。

 スポーツ事故に興味がある法学部の学生さんは、この分野の勉強を掘り下げてしてみたり、卒論のテーマにするのもよいかもしれませんねiconN37


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Posted by 弁護士 中井陽一 at 09:05 法律関係

裁判員裁判はお嫌い?

2018年05月21日

重大な事件について、一般市民が裁判官と一緒に刑事裁判をおこなう裁判員裁判。
ニュースで、裁判員裁判の辞退率が66%となり、また、選任期日の無断欠席も大幅に増えている、と報道されていました。
このニュースをみると、一般市民からは煙たがられていると思われる裁判員裁判ですが、誰にとってメリットがあるのでしょうか?



裁判員裁判を導入した目的としては、おそらく、刑事裁判に一般市民の感覚を入れる、ということだろうと思います。
しかし、先ほどのニュースのように、裁判員にはなりたくない、という一般市民が多いようです。

裁判官・検察官・弁護士からすればどうかというと、組織的にはいずれも市民に裁判員制度をPRしていますが、実際の本音としては、「裁判員裁判なんてしなくていいのに」と思っている人が多い気がします。
特に裁判所の場合、裁判所の中に一見さんの一般市民が入ってくるわけですから、非常に気を遣っているのがわかりますね。

被疑者・被告人にとっても、あまりありがたいものではないでしょう。
これまでは裁判官に裁かれるだけだったのに、法壇に裁判官のみならず、一般市民の裁判員がずらっと並んでいて、見下ろされるのは、正直嫌な気持ちでしょう。
また、裁判官が行う裁判の場合、従来の裁判例から、ある程度結果の見通しができますが、裁判員裁判だとなかなか結果の見通しが難しい部分があります。

じゃあいったい誰のために裁判員裁判をしているの?と疑問に思うことも少なくありません。
10年後には、裁判員裁判制度はいったいどうなっているんでしょうねkao_4


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タグ :裁判員裁判


Posted by 弁護士 中井陽一 at 10:26 裁判

司法試験に短期合格するためには?

2018年05月18日

 司法試験って、1回ですぐに合格する人もいれば、すごく勉強していて知識もあるのになかなか合格しない人もいます。
 特に、筆者が受験した頃の旧司法試験の論文式試験はその傾向が高かったです。
 すぐに合格する人と、なかなか合格しない人の違いっていったい何なんでしょうか?


 司法試験の論文の問題って、「何条には何と書いてありますか?」というような知識だけを問う問題ではないんです。
 実際の法律トラブルの事例などが問題となっていて、それに対する解決方法を論文で書かせるんですね。

 そのような問題の解き方って、事例を見て、自分の頭の中にある知識の引出しから、適切な材料(条文や判例知識等)を持ち出して、それを組み合わせて回答を出す、というような作業なんです。

 まだ勉強して年数が浅いと、知識の引出しの数が少なく、重要な条文・判例しか引出しには入っていません。そうすると、事例問題を見たときに、引出しの数が少ないからこそ、その中で最も適切な材料を持ち出すのが容易なんです。

 他方で、勉強して年数が経ち、どんどん情報量が増えていくと、知識の引出しの数がどんどん増えていき、重要な条文・判例のみならず、マニアックな判例などの知識もあふれてきます。そうすると、いざ事例問題を見たときに、引出しの数が多すぎて、本当に必要な材料を持ち出して回答することが難しくなってくるんですよね。

 ですので、不合格になったときに、「まだ勉強(知識)が足りないから落ちたんだ。もっと勉強しよう。」と知識(引出し)を増やす方向の努力をすると、合格がますます遠のいてしまう、ということがよくあるんです。むしろ、細かい知識をそぎ落として、重要な判例・条文のみをしっかりと理解する方が、短期合格への近道なんですよね。

 なんて話を、かつて司法試験に合格してから司法修習までの間に、予備校にかつがれて?、全国各地で講演していました。今日の記事を書いていて、久しぶりにその頃のことを思い出してしまいましたkao_7


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タグ :司法試験


Posted by 弁護士 中井陽一 at 09:29 法律関係

六法はやっぱり紙ベース?

2018年05月17日

 世の中、資料や書類を紙媒体で保管・持ち歩きするのではなく、どんどんデータ化されていっていますよね。
 弁護士にとって必携とも言える仕事道具である「六法」も、もはや弁護士も紙媒体の六法は持たずに、データで所持するだけになるのでしょうか?



 おそらく、今現在、六法はデータしか持っていませんという弁護士は少ないと思いますし、これからも紙媒体の六法を愛用する弁護士はなかなか減らないのではないかな、と思います。

 弁護士が法律を引くときって、必ずしも引く前から特定の条文や特定の文言を決めて検索しているわけではないことが多いんです。
「あれ、これは民法の遺留分が問題になるな… でも何か例外はなかったっけ?」というような、ちょっと漠然とした探し方のことも多いです。

 そうして、六法で民法の遺留分の条文のあたりのページを引き、その周辺をざっと見ているうちに「おっ、この条文が使えそうだ」とか、めくっているうちに遺留分の前の遺言の条文のあたりに「っていうか、この条文も利用できないか」というように、条文と頭の中の引出しが結びついていく、ということがあるんですよね。

 なぜか、そのような結びつきって、データで見ていてもあまり発見がなく、紙媒体で六法をめくる方がはるかに発見が多い気がします。おそらく、同じ感覚の弁護士は多く、紙媒体の六法はこれからも愛用されるんじゃないかと思うんですよね。

 とはいえ、今後10年、20年と経つと、そもそも電子書籍に慣れすぎていて、ページをめくるのが苦手な人たちが弁護士になっていき、紙媒体の六法もなくなってしまうのかもしれませんねkao_7

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タグ :六法


Posted by 弁護士 中井陽一 at 10:04 弁護士の業務

滋賀の弁護士の増加率は全国2位!

2018年05月15日

 弁護士の人数が、司法制度改革で急増したって言われていますが、実際にどのくらい増えたかご存じですか?また、滋賀は実は全国有数の増加率だって知っていますか?



 弁護士白書によれば、1998年の弁護士数と、20年後の2017年の弁護士数で比較すると、全国ベースの増加率が232%(2.32倍)だそうです。

 そして、各単位会(=ほぼ都道府県ごと)ベースでみると、滋賀弁護士会は334.88%の増加率で、島根県についで全国2番目に高い増加率とのことです。

 20年前には43名だった弁護士が、144名に増加しています。まさに急増ですね。他府県に比べて著しく急増した理由としては、元々は「地方」ということで弁護士の人数が少なかったところ、地方の割には交通の便がよく住みやすいため、新規登録や登録換えが増えたのが一番の要因でしょう。また、全国的に見ても、数少ない人口増加県ということで、今後の将来が有望と考えた弁護士も多いのかもしれません。

 あまりの急増で、筆者より前に滋賀で弁護士をしていた人よりも、筆者より後に滋賀で弁護士をするようになった人の方が、ずっと多いんですよね。自分自身ではまだ若手のつもりでも、相対的にみると、どっぷりと中堅~ベテランの域に入ってしまってますねkao_16

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Posted by 弁護士 中井陽一 at 08:34 弁護士雑談