真実は1つとは限らない
2022年03月14日
弁護士、特に町弁(町医者的弁護士)という仕事を10数年やってきて、よく思うことは、「真実は1つとは限らない。見方や立場によって異なるし、それぞれのストーリーがあるんだなあ。」ということです。みなさんは真実は1つだと思いますか?

民事裁判で言えば、ほとんどの事件で原告と被告の言い分が違います。
離婚などの家事事件でもそうです。
でも、当事者の話をよく聞いていると、どちらかが嘘を言っているのではなく、どちらも本当のことを言っていることはよくあります。
たとえば離婚事件で、夫は「妻が僕をわざと避けるなど嫌がらせをしてきた。モラハラだ」と言っていて、他方で妻は、「夫は私が嫌なことをわかって嫌がらせをしてきた。モラハラだ」と主張しているとします。
話をよく聞いていると、夫としては、幼い子どものお世話をして妻を少しでも休ませようと思うのに、妻は子どもを夫にお世話させず、夫と子を隔絶させようとすると言います。他方で、妻としては、育児を自分の慣れたペースでやろうとしているのに、子どもが寝てる時間に夫が子どもをあやそうとするなど、妻の育児の嫌がることばかりをしてくると言います。
実態としては、夫が育児をしようとしても妻が拒否していることは事実ですし、妻が嫌がっていることを夫がしようとしているのも事実であり、双方の主張する「事実」自体は同じことなんですよね。
でもこれが、裁判で双方の主張=ストーリーという形になると、まるで全く違ったものであるかのようになることが多いんです。
犯罪やDVと言った、やってはいけないことの加害者側であっても、話をしっかりと聞いていると、そうせざるを得なかった動機や経緯があったり、加害者なりのストーリーがあることもあります。
そういう、同じ事実であったとしても、当事者の体験や経緯に即したストーリーを、法律構成にのせながら主張・立証していくのが、弁護士の仕事の醍醐味であるような気がします。
まあ、依頼者や事件に関することであれば、そうやって多角的・客観的な視点から主張を組み立てることができても、いざ自分自身の人生や決断となると、なかなか自分中心でしか物事を考えられないんですけどね
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話をよく聞いていると、夫としては、幼い子どものお世話をして妻を少しでも休ませようと思うのに、妻は子どもを夫にお世話させず、夫と子を隔絶させようとすると言います。他方で、妻としては、育児を自分の慣れたペースでやろうとしているのに、子どもが寝てる時間に夫が子どもをあやそうとするなど、妻の育児の嫌がることばかりをしてくると言います。
実態としては、夫が育児をしようとしても妻が拒否していることは事実ですし、妻が嫌がっていることを夫がしようとしているのも事実であり、双方の主張する「事実」自体は同じことなんですよね。
でもこれが、裁判で双方の主張=ストーリーという形になると、まるで全く違ったものであるかのようになることが多いんです。
犯罪やDVと言った、やってはいけないことの加害者側であっても、話をしっかりと聞いていると、そうせざるを得なかった動機や経緯があったり、加害者なりのストーリーがあることもあります。
そういう、同じ事実であったとしても、当事者の体験や経緯に即したストーリーを、法律構成にのせながら主張・立証していくのが、弁護士の仕事の醍醐味であるような気がします。
まあ、依頼者や事件に関することであれば、そうやって多角的・客観的な視点から主張を組み立てることができても、いざ自分自身の人生や決断となると、なかなか自分中心でしか物事を考えられないんですけどね

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Posted by
弁護士 中井陽一
at
20:47
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弁護士雑談